子どもの目線ということ
2008年9月21日(日)16:39:07井口 秀実 コメント »
映画評論家の西村雄一郎さんが『没後10年「黒澤チルドレン」』をモチーフとした連載をしている。
その第4回。黒澤明監督がジョージ・ルーカスに『「君の「スター・ウォーズ」は音楽が多い。』と意見したところ、ルーカスは「子どもの映画だから、分かりやすいように音楽をたくさん入れた。」と反論した。すると黒澤は、「それは子どもを侮辱している。子どもはそんなことをしなくたって、ちゃんと分かっているんだ。」と詰め寄り、ルーカスが「スミマセン」と謝って決着がついたという。 黒澤監督に纏わる、これに似た逸話は以前にも黒澤和子さんの回想で読んだ覚えがある。
これはなかなか示唆に富むエピソードだ。我々はどうしても、子どもにも分かりやすいように「漢字には出来るだけルビを振ってあげないと・・・。」とか「出来るだけ簡単に出来上がるように・・・。」とか思いがちであることは否めない。結果として、出来上がった商品が子どもが持っている潜在能力を十分に引き出すことの出来ないものに仕上がっていることはあるかも知れない。
確かに、我々自身を振り返っても、「今更・・・。」とか、「そのトシではもう無理では?」とか、やりもしないのに匙を投げてしまっていることも多そうだ。子どもの目線で考えろとはよく言われるこことだが、チャレンジする意欲をいつまでも失わなければ、子どものちょっと背伸びしてみたい気持ちが分かれば、彼らの心に少しでも近づくことが出来るのではあるまいか。
「黒澤チルドレン」の連載はまだまだ続くようなので、次の号が楽しみだ。


